モンシロチョウの青虫にとって繭というのはとても大切な存在です。
まず繭とはどんなものかと説明しますと、繭というのは青虫が蛹になる過程で体内から出される糸のようなものです。
この糸のようなものを身体中に張り巡らして青虫は蛹となりモンシロチョウへと変化していきます。
モンシロチョウの青虫に繭は必要不可欠
モンシロチョウの青虫が孵化してから蛹になるまでおよそ10日間程と言われています。
その後蛹になってからは7〜9日間の時を過ごします。
蛹になり蝶へと変化する間に青虫は自分の身を守らなければなりません。
その為の繭です。
繭というのは言ってしまえば全身を包み込むベッドのようなものです。
青虫はそのベッドに包まれながら、およそ13〜15日間ほど静止していると言われております。
これは立派な蝶になるためにとても大切な行為であり、青虫が羽化するにあたって重要な手助けとなっているのです。
しかし、青虫が自分の身を守るといっても繭で体を包み込む前の青虫は無防備です。
繭で形成されたベッドで蛹になり、羽化して蝶になるためには青虫の時期に沢山の葉っぱや自分の生まれた卵の殻などを食べて栄養をつけなければなりません。
その為に、孵化してすぐに糸を口から出して繭を作り出すわけにはいかないのです。
青虫には切っても切り離せない天敵がいます。
それはアオムシコマユバチという蜂です。
この蜂は全長およそ3mm程しかないのですが、モンシロチョウの青虫を見つけるとすぐさま青虫の体に卵を産み寄生させてしまいます。
そしてアオムシコマユバチの子供も青虫の中で繭を作り出してしまいます。
これによって青虫は繭で体を包み込んでも生き残れないケースがあります。
その数は青虫のおよそ半分以上と言われているのです。
青虫に寄生を防ぐことは出来ませんが、誰にも寄生されずに繭を作り出し自分の身を覆い隠す事ができれば、その後蛹になり蝶へと変化を遂げる事ができます。
まさに青虫にとっては運とも言える事実です。
まとめ
モンシロチョウの青虫は蝶へと形を変えるためだけに口から糸を出し繭を作り上げるのではなく、微力ながらも敵から身を守る為に繭を作り出すことは重要な過程であるという事が分かります。
青虫から出されたクリーム色の糸には敵を追い返す力こそ無いのですが、綺麗な蝶へと変わる為に大切な役割があるという事実がそこにはありました。