モンシロチョウやアゲハ蝶は、卵から幼虫(青虫)になりさなぎ、成虫へと成長していきます。
青虫には骨がありません。
体の外は硬い皮で覆われていますが、この皮は伸びることができません。
青虫が成長して一回り大きくなるにしたがって、脱皮をしていきます。
モンシロチョウの青虫は4回脱皮をします。
アゲハ蝶の青虫は5回脱皮をします。
青虫がさなぎになるまでは温暖であれば2週間、気温16℃ぐらいであれば1ヶ月とも言われています。
青虫は小さな体に似合わず、1日にたくさんの葉をもりもり食べます。
しかしある日、突然じっとして、食べ物を食べなくなる時があります。
いよいよさなぎになる準備です。
では青虫は、さなぎになる前にどんな準備をしているのでしょうか。
青虫がさなぎになる前の不思議な行動!
最後の脱皮が終わり、終齢幼虫となった青虫が、急に葉を食べなくなると心配になりますが、さなぎになる時期がきたようです。
終齢幼虫になって数日経った頃、今までのコロコロのフンではなく、急に水分たっぷりのフンをします。
未消化の葉まで、出てくることもあります。
これは、さなぎになる前に体を軽くするためです。
その後ウロウロとせわしなく動き、さなぎになる場所探しを始めます。
羽化した時に安心して羽を広げて乾燥させることができる、太い枝のような場所を好みます。
枝や割りばしのような、しっかりとしたものを何本か入れてあげるとよいでしょう。
70度くらいの傾斜を作ってあげましょう。
容器を、少し暗めで静かな場所に置いてあげると落ち着いて場所探しができるようです。
動きがとまり、じっとしたらいよいよさなぎになる準備です。
場所が決まると、頭を下にしておしりを固定する場所に糸を出して足場を作ります。
その後上向きに戻り、おしりをふりふりさせて固定していきます。
今度は口から糸を出し、頭を左右に振りながら自分の首に糸かけていきます。
自分の体を支えることができる強さ加減がわかるのですね。
上手に上半身を固定させると、体を縮めていきます。
しばらくすると背中が割れ、頭の方から皮を脱ぎ始めさなぎになっていきます。
夏場では1週間から10日程で、さなぎが透明になっていき中身がほぼ透けてみえてきます。
明け方に羽化することが多いようです。
羽化してすぐの羽はくしゃくしゃですが、すぐに伸びて綺麗な形になり飛び立っていきます。
まとめ
青虫がさなぎになる前に、水分のあるフンをしたり、ウロウロ動きまわるのもちゃんとした理由があったようです。
モンシロチョウの青虫、アゲハ蝶の青虫など種類によって、成長過程は多少異なりますが、自分たちの子孫を残すために、奮闘している姿を見ると感動してしまいます。
ぜひ一度実際に飼育して、自分の眼で観察してみてくさい。