アゲハ蝶の舞う姿は優雅で、つい魅せられてしまいます。
そんなアゲハ蝶ですが、幼虫から成虫になるまで、実は5回も脱皮します。
卵から孵化してすぐの幼虫を1齢幼虫、その後脱皮を繰り返しながら、2齢幼虫、3齢幼虫、4齢幼虫、5齢幼虫とどんどんと姿を変えていきます。
2齢幼虫までは、体も5ミリほどと小さく、黒っぽい色をしています。
白い模様が入っていますが、これは、鳥の糞に擬態して身を守っていると言われています。
この頃は、何の成虫になるのかまだ見分けがつきにくいです。
4,5齢幼虫(終齢幼虫)になると、体長も15~25ミリくらいとなり黄緑色になります。
この頃になるとアゲハ蝶の幼虫はいわゆる青虫のような姿になり、特徴も出てきます。
今回はアゲハ蝶の幼虫が青虫のような姿になってからの、種類の見分け方について調べてみました。
アゲハ蝶の青虫を見ただけで、種類がわかる?
まず皆さんがアゲハ蝶と聞いて思い浮かべるのはどのような姿でしょうか。
白っぽい色に黒い線状の模様の入った蝶は良く見かけます。
「ナミアゲハ」と呼ばれるアゲハ蝶です。
地色がナミアゲハよりも少し黄色っぽいものは「キアゲハ」です。
ナミアゲハの青虫は、全体的に黄緑色で、腹脚の上に白い線があります。
キアゲハの青虫も同じような黄緑色ですが、黒い帯状の模様がついています。
羽色が全体的に黒っぽい「クロアゲハ」の青虫も黄緑色で、幾何学模様のようなラインが入っています。
青緑色に輝く「カラスアゲハ」の青虫は、濃い黄緑色で胸背面には特徴的な雲も模様があります。
「ミヤマカラスアゲハ」の青虫はカラスアゲハの青虫と、とてもよく似ていますが、腹部の脚は白で細く黒いラインがあります。
胸と背面を囲む黄色のラインがあることで見分けがつきます。
クスノキが大好物の「アオスジアゲハ」は都市部の公園などでもよく見かけます。
アオスジアゲハの青虫は薄めの黄緑色で、頭から3つめの突起を結ぶような黄色い線があります。
羽色が黒色で、中央に大きな白斑が特徴的なのは「モンキアゲハ」です。
モンキアゲハの青虫は、他に比べて大きめで背中の黒いV字模様が離れています。
個体差も大きく、くっついて見えるものもいるそうです。
栽培ミカン類を好む「ナガサキアゲハ」は胴部の地色は濃い緑色で、胸から背部にかけて白っぽい斜めのラインが入っています。
まとめ
いかがでしたか?
特徴的なものだけを挙げてみました。
アゲハ蝶の幼虫は脱皮をして、どんどん姿を変えていくので、この間見たときと色が違う!などと驚くこともあります。
黒い羽のアゲハ蝶でも幼虫の頃は綺麗な緑色をしていたり、不思議な昆虫ですね。
終齢幼虫になった青虫は、体も大きくなり特徴も見えてくるので、成虫になった姿を予想して観察していくと楽しみも増えるでしょう。