蝶々の飼育においてモンシロチョウと並び親しみ深くポピュラーなのがアゲハチョウですよね。
もし飼っているアゲハチョウの幼虫が動かなくなってしまったら、私達はどうしてあげたら良いのでしょうか?
ナミアゲハの幼虫が動かない時の対処法
基本的に蝶や蛾の幼虫はとても元気でせわしなく動き回っています。
中にはテリトリーを重んじるものや糸を使って移動したり自分の居場所を守ったりする種も居て、そういった種類の幼虫は環境の変化が多いと疲弊して弱り切ってしまうこともあるのですがそんなに多いケースではないようです。
ずっと見ていても飽きないという人が居る程、蝶の幼虫が忙しく体を動かして葉を食べている様子は力強くて面白いと感じます。
ですが普段は元気だからこそ、幼虫が急に動かなくなったら心配ですよね。
ですが、どんなに心配になっても決して触ったりしてはいけません。
こんなに小さな幼虫が相手でも、人間が自然の摂理に逆らえる術はそう多くはないのです。
特に蝶の幼虫に私達がしてあげられることはほとんどありません。
我慢強く辛抱強く、まずはじっと見守りましょう。
動かなくなることの原因として大きく3つのことが考えられます。
1つは蛹化の準備をしているという原因です。
アゲハチョウの幼虫は蛹になる前に前蛹と呼ばれる状態になるのですが、この状態の初期と前蛹になる直前は動きが少なくなります。
蛹になる直前になると幼虫は水っぽい緑色の糞を出して蛹になるために不必要な水分を外に排出すると言われています。
この場合は幼虫が終齢幼虫かどうかや糞の色と状態を見ることで動かない原因がわかって安心できますね。
2つ目は脱皮の準備をしている場合です。
これは蛹化の時ほど目立ったサインがなく、うっかり触ってしまうと脱皮に失敗してしまうこともあるので蛹化のときより少しだけ危ないですね。
ですが脱皮は準備を含めても1日以内に終わるので、翌日までは決して触れずに観察を続けましょう。
そして最後に3つ目ですが、これは寄生虫にやられてしまってたという場合です。
悲しいですがアゲハチョウには天敵も多く、果てには卵に寄生する外敵すら居ます。
外で採集してきた幼虫を育てていた場合は、それが卵であったとしても寄生虫のリスクがあるのです。
もし飼っていた幼虫がそうなってしまっていた場合にはとても悲しい上に絵面的にも大変ショッキングな光景を目にすることになるのですが、人間にはどうすることもできません。
自然の厳しさと弱肉強食の摂理、寄生虫も生きるためには食べなければならないという世界の法則に思いを馳せながら、ナミアゲハの冥福を祈りましょう。
まとめ
動かなくなっても決して触らないこと、終齢幼虫の場合は蛹化のサインかを見極めることが大事ですが、中には蛹化に適していない場所で蛹化、または前蛹になってしまう個体も珍しくはなく、そういった場合には人の手で適した環境に移してあげることもできますよ。