ナミアゲハに限った話ではありませんが、蝶の幼虫を狙う外敵の中には寄生虫という恐ろしいものも居るのです……。
ナミアゲハの幼虫と寄生虫
蝶や蛾の幼虫を飼育していて一番悲しくショッキングなお別れの原因は間違いなく寄生虫にやられてしまうことです。
ちょっと衝撃的でグロテスクな内容になってしまうため、苦手な方はご注意ください。
蝶や蛾の幼虫に寄生するのは大体ハチの一種で、幼虫の身体の中に産卵します。
そのまま孵化させると、生まれたその寄生ハチの子は生きている蝶や蛾の幼虫を体内から食べつくし、十分に成長するとそのうち蛹となり体外に現れ、羽化していきます。
もちろんその間に蝶や蛾の幼虫は無事では済まず、動かなくなり次第に身体の色が変わっていって、最後にはいくつもの小さく黒っぽい寄生ハチの蛹を傍らに溢れ出た体液に塗れびちゃびちゃとした絵面になってしまいます……。
本当にショッキングですよね。
寄生からの予防法は
モンシロチョウの幼虫飼育の場合などには、基本的に葉の裏についた卵の状態から採集しその後は密閉した容器で飼育することで寄生ハチが幼虫に寄生するタイミングを無くし寄生される確率を下げることができます。
しかしナミアゲハの場合はアゲハタマゴバチといって卵に寄生する種類さえ居るので折角卵から採集しても安心することができません。
ただアゲハタマゴバチの場合は卵の状態で食べられてしまうので前述のようなショッキングな光景を目にすることはしなくて済むようです。
極端な話をすれば大きなテラリウムの中のような密閉された空間で、飼育下のアゲハチョウが産んだ卵であれば寄生ハチがつけいる隙もありませんが、あまり現実的な話ではないですよね。
できるだけ密閉することで確率を下げることはできますが、絶対に予防するというのはほぼほぼ不可能と言っても過言ではないでしょう。
まとめ
筆者だったら愛情こめて育てていたナミアゲハの幼虫が寄生ハチにやられてしまったらショックで立ち直れません。
飼育を始める場合はそういうこともあるということを念頭にそれなりの覚悟をしないと凹んでしまいそうです。