皆さんは青虫といえば、モンシロチョウやアゲハ蝶の幼虫を思い浮かべると思いますが、なぜ体の色が緑色なのでしょうか。

モンシロチョウの幼虫は、キャベツなど緑色の葉っぱを食べるので緑色になるのでしょうか。

素朴な疑問ですが、今回はその謎を解明していきましょう。

青虫 色 緑

青虫の体の色が緑色なのはなぜ?

孵化したばかりのモンシロチョウの幼虫は淡い黄色です。

その後、体色はだんだん緑色になっていきますが、青虫が食べる植物の葉が緑色だからではありません。

植物は光合成色素の葉緑素(クロロフィル)により緑色に見えます。

このクロロフィルは青虫の体の中で、消化・吸収されることなく糞とともに排出されます。

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実は青虫の緑色は、植物の葉に由来するカロチノイド(黄色、オレンジ)、ビリン(青緑色、青色)、オモクローム(黄色、褐色)、メラニン(黒色、赤褐色)といった物質を含んだものを食べたためだと言われています。

いろいろな物質が混ざり合って青色を作りだしているようです。

他に「自然淘汰」の結果とも考えられています。

青虫は食用の葉に近い色をしていれば、敵に見つけられにくく、生き残る可能性が高くなります。

「自然淘汰」により、生存率の高い色の幼虫、すなわち緑色の青虫が残ったと考えられます。

アゲハ蝶の幼虫は卵から孵化してすぐは、黒っぽい色です。

白い縞も入っており、葉っぱの上にいるととても目立ちます。

実はこれも擬態の一つで、鳥の糞と似ていることで、外敵から身を守っています。

生きる可能性の高い色となって、それが子孫にも受け継がれているのでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

青虫は生活する環境に応じて、保護色となって身を守っているようです。

チョウやガは、卵→幼虫→蛹→成虫と姿を変えて成長していきます。

この中で幼虫、すなわち青虫の状態で過ごす期間が一番長いのです。

この期間外敵から身を守るために、さまざまな防御方法を見つけ出して、生き延びてきたのでしょう。

アゲハ蝶の青虫は、触ると頭部からツノを出して、臭い臭いを放ちます。

外敵を威嚇するためのもので、アゲハ蝶の青虫だけがツノを持っています。

頭部には眼のような模様があります。

鳥類はへびなどが天敵なので「眼」を見ると逃避する習性があるようです。

アゲハ蝶の青虫も鳥から身を守るために、「偽の眼」は進化して現在の姿になったのでしょう。

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