春先にキャベツ畑の葉の上に青虫を見かけることはありませんか。
ほとんどがモンシロチョウの青虫です。
アブラナ科の植物であるキャベツ、大根、カブ、ブロッコリー、カリフラワーなどを好みます。
その青虫の近くには、必ずと言っていいほど緑色の小さな糞が見られます。
青虫はみんなこんな糞をするのでしょうか。
今回はこの青虫の糞の色や特徴などについて、ご紹介していきます。
青虫の糞の色はみな同じ?
モンシロチョウの幼虫である青虫は、ほとんどがキャベツの葉を食べます。
そのせいか糞も葉と同じような色をしており、小さくてコロコロしています。
植物の葉に含まれているクロロフィルは消化、吸収されることなく糞とともに排泄されます。
そのため葉に近い色の糞を出すのでしょう。
ちなみに青虫の体の色が緑色なのは、食べた葉のせいではありません。
カロチノイドとビリン系色素が体内で混じりあって、緑色が形成されているのです。
モンシロチョウの青虫は、4回脱皮をしてその度に大きく成長していきます。
体の割に食欲も旺盛で、あっという間に葉っぱを食べつくしてしまいます。
成長とともに、糞の量も大きくなり、緑色もより濃くなります。
終齢幼虫になって数日経つと、突然食べなくなり急に水分たっぷりの糞をします。
未消化の葉まで出てくることもあります。
病気になったわけではありません。
さなぎになる準備をするために、体を軽くしているのです。
この後、急に動かなくなりさなぎになるのです。
モンシロチョウの幼虫によく似ている青虫に「コナガ」の幼虫がいます。
モンシロチョウの青虫に比べて、細く小さいのが特徴です。
同じようにアブラナ科の植物を食べますが、糞は黒くて粒々しています。
体は緑色をしていますが、エサは体の中で分解されて糞は黒くなるのでしょうか。
モンシロチョウの青虫は黒い糞をすることはないので、これで見分けがつきますね。
間違えて飼育してしまうと、モンシロチョウではなく、残念ながら灰褐色の羽をもつ「ガ」となります。
まとめ
青虫の糞の色や特徴などについて解説してきました。
さなぎになる前に、急に水分の多い流れるような糞をするので、それからは注意深く観察していきましょう。
さなぎになる瞬間が見えるかもしれません。
また、青虫の糞は一般的に水分が多く、そこから菌などが繁殖してしまいがちです。
飼育する時は常には取り除き、清潔な環境にしておくとよいでしょう。