青虫は卵から孵化し、その後さなぎになり、そしてさなぎの背中を割って羽を広げて飛び立ちます。
もし、さなぎになるときに失敗してしまったら、どうなるのでしょうか。
そこで今回は、青虫がさなぎになっている途中で、失敗してしまったらどうなるのかをご紹介します。
青虫がさなぎになることに失敗したとき
卵から孵化した青虫が、さなぎになるための準備期間を経て、脱皮をしてさなぎになることを蛹化と言います。
ちなみに、さなぎは緑色の葉っぱなどが多いところでさなぎになった場合は、緑色のさなぎになります。
そして、茶色の葉っぱなどが多いとことでさなぎになった場合は、茶色のさなぎになるタイプもいます。
このように、さなぎの色は周りの色に溶け込むようになっており、保護色としても役立っているのです。
では、青虫のさなぎの中では何が起こっているのでしょうか。
幼虫は、さなぎの中で成虫になるための主な構築をしているように思われますが、実は幼虫の頃から成虫になるための準備が進められています。
さなぎを外側からよく観察すると、成虫の姿をすでに確認できることがあります。
しかし、さなぎから見えていても、その器官が完成しているとは言えません。
幼虫の頃に変化して準備を始めていた基礎の部分なので、基本的な構築はさなぎのときに行われます。
幼虫と成虫の差は見た目だけではなく、数多くあります。
例えば、目は幼虫は6個ですが、アゲハ蝶の場合は18,200個あります。
口も、幼虫は噛み砕くためにありますが、成虫は蜜を吸うためにあります。
そして幼虫の頃は短かった触覚は、成虫になると長くなります。
脚は、幼虫のころは歩いたり、しがみついたりしますが、成虫になると歩くのには適さなくなります。
体内の消化器官や生殖器官なども変化があります。
消化器官は、幼虫の頃は主に葉っぱを消化しますが、成虫になれば、蜜などの液体を消化するようになります。
生殖器官も、幼虫の頃は機能しませんが、成虫になると使えるようになります。
このように、成虫になるための大構築を、基本的にはさなぎの中で行なっているのです。
そのため、さなぎの中は主にドロドロとした液体です。
このドロドロとした状態から消化器官や、目や口を作っていくのです。
そのため、さなぎのときに傷つけてしまったり、さなぎを開けてしまったりしては、成虫になることができなくなってしまいます。
そして、幼虫は脱皮を繰り返して成長し、さなぎになります。
この際に脱皮に失敗することがあります。
幼虫を覆っている皮は、伸縮することができないため、脱皮を繰り返して大きくなります。
しかし、うまく脱皮ができなかった場合は、大きくなりたくても大きくなれない状態になります。
もし脱皮に失敗してしまった場合は、大抵の場合は命を落としてしまうことがほとんどです。
さなぎから出ることができたとしても、例えば顔だけ幼虫のままだったり、脚だけ幼虫のままだったりして、あまり長く生きることはできません。
まとめ
さて、今回は青虫がさなぎになることに失敗してしまったらどうなるのかについてご紹介しました。
青虫は、成虫になるために危険な脱皮をなんども繰り返しているのです。
青虫を飼っている方は、青虫がさなぎになろうとしていたらなるべく動かさずにそっとしておいてあげましょう。